いっちゃん
筆者はちょっと前まで大学院生であった。大学院生というのは、普段どういう学生生活をしているのか?
………いかんいかん、えらい脱線。こーゆー難しい能書きはこの場にふさわしくないっすネ。だからそれはおいといて(^/^)/、
さて、本題に入ろう。大学院生は主に、ある特定のテーマについて研究している。そしてその成果を修士論文をはじめとした論文にまとめ、或は学会などで発表したりする。これは日本やヨーロッパの大学院の特徴である。一方アメリカでは、大学院生は学部生と同様に講義科目をとり、その担当教員から出された多くの課題などをこなして、所定の単位を取得し、日本とは対照的である。従って日本の大学院生はアメリカのと違って、自分の専門についてはやたらと詳しいが、あまり広い知識は学んでいない。
で、日本の大学院生が主にやっていることは「研究」なのだが、これがまた評価が実に難しい。とにかく努力すればする程いい結果が出せる、というシロモノでもなく、その学生が優秀か否かは、教授など周りの人の主観によるところが大きい。また何を以って研究とするか、という線引きも曖昧で、たまに意外なところから研究のヒントが見つかったりする、それはそれで面白いものでもある。
大学院生がほかにやっている主な仕事といえば、....これは日本のどこの研究室でもあることだが、電話の応対やコピーなどの雑用である。企業で若い女性社員がお茶くみなどをやらされているのと同じである(今ではなくなりつつあるが)。とにかく学生は教授にとって教え子であるばかりでなく、自分の研究に必要なスタッフでもあるのだ。大学教授は時として、猫の手も借りたい程忙しい、そんな時に最も手軽に使える「安価な」人手が、ほかでもなくその研究室の学生なのである。
弟子が師匠や先輩の身の回りの世話をしたりするのは、相撲や落語など、厳しい師弟関係のある世界ではごく当たり前である。奉仕するのも修行のうち、と。ところがこの風潮が、大学の研究室の中でも同じように通っているのである。その程度は研究室にもよるが、とにかく学生、特に大学院生は雑用に近いことを多くさせられている。まあさすがに教授の家に上がり込み、食事を作ったりするまではしないが、少なくとも丁稚奉公みたいなものをすることがある。(いつからこんな風になったんだ?)
ある研究室の話である。(この辺はあくまでフィクションであり、実在する人物や場面とは全く関係ありません。)そこの研究室の教授は、ある学会のお偉いさんで、極めて多くの研究実績をあげ、また人脈も抜群である。というのも、外部からの委託研究などをバンバン引き受け、次から次へと仕事を持ち込み、寝食も忘れる程夢中になって研究に取り組む、という大変なバイタリティーの持ち主(?)だからである。
その教授の活躍を陰で支えているのは、………その研究室の学生、特に院生である。教授が次から次へと仕事を持ち込み(それも誰でも出来るような、頭をあまり使わない仕事が殆ど)、学生は黙ってそれをこなす。教授が急げといえば学生も急ぐ。(とはいっても、実は教授自身はあまり仕事をせず、研究室の奥で一人で酒を飲んでいることが多い。)
そしてもし学生が所定の仕事をこなせなければ、教授は散々怒鳴り散らして責め、時にはゲンコや蹴りが飛んでくることもある。それが酔っ払ってくるのだから、それはそれは恐ろしい………。多くの学生は教授を恐れて研究室に来なくなり、研究室には閑古鳥が鳴き、教授のそばには特に忠誠的な一部の院生だけが残る、という深刻な状況。
それでもなお、教授の人脈や研究実績が(?)際立っているせいで、毎年多くの学部生が卒論の為に入ってくる。教授の本来の姿も知らずに。その研究室の倍率が高いので、本当に優秀な学生だけが入り、その学生の優秀な研究で教授の株がひとりでに上がり、過去の偉大な研究実績によって高く保たれる。今では教授は学生をこき使い、そのふんどしで相撲をとるだけである。まあ誰が見ても、根の腐った本当に最悪の教授である。
まあ教授としては、学生が教授の仕事を手伝うことは即研究につながる、と考えがあるのだろう。現にそうである。それに一般的に大学教授は大変忙しく、こういった人手に頼らなければやっていけないのだろう。これがどうも、大学院生が教授の「奴隷」になる体質を保っているようである。しかも、企業ならばこうやって社員を働かせれば給料を払わないといけないところを、タダで働かせることが出来るのである(だから「安価」なのだ)。さすがに前述のような、ただ労せずして自分の株を上げるだけに学生をこき使い奔走する教授は実在しない(いるわけないでしょ!?)。でもそうでなくても、大方の大学の研究室では、教授が学生をこき使う現実があるらしい。
だから申し上げておきますが、大学院生の皆さん(ここにいらっしゃるのはσ(^_^)の知る限り、学生が多いと思いますが)、教授に多くの雑用をやらされている、とボヤいても仕方ないですよ。どこの研究室に行っても、大体現状は同じなんだから。就職したらこの何倍もこき使われるんだから、このくらいは我慢しましょう。ただ研究は手を抜かないように。(^_^;)
ちなみに修士は英語でマスター(master)という。masterは「主人」という意味もある。しかし院生の現実は全く逆で、実際はスレーブ(slave;奴隷)と訳したほうがいいのかもしれない。おっと、またも皮肉な結び方をしてしまった(;;^_^;;)。