壁に耳ありネットに穴あり

いっちゃん

最近日本でもインターネットが普及し、多くの人がインターネットを電話回線などで利用するようになった。このインターネットとはアメリカで作られたもので、そのアメリカでは日本よりも盛んである。国会議員や雑貨店主が宣伝用にホームページを持ち、また主婦がカタログをインターネットで検索しているのである。
そんなインターネットにもいろいろと恐ろしいことがある。とにかくいとも簡単につなげられてしまうので、インターネット中毒になって実社会での生活に支障をきたしてしまう人がいる。それから、互いに顔が見えないという点から、ややもすると深刻な犯罪の温床になってしまうことである。
このような問題は、どうもインターネットの歴史をひもとくと原因がよく分かる。そもそもインターネットというのは、利用者が全て「善人」であることを前提にして運営されていたことから(注1)、他人になりすますなどといった犯罪には全く無防備なのだ。
そこへハッキングなどといった犯罪がやってくると、インターネットというものは非常に無防備なのである。その為、何かと問題が生ずれば後追い的にアクセスなどの制限が加えられていったが、それでも現在では十分ではない。我々多くの善良なユーザはこうやってただネットを情報伝達の道具として、或いはそれを楽しむ為に使っているのだが、ごく少数の悪いユーザに悪さをさせない為に、管理者から何かと自由を奪われてしまうのだ。全く悲しむべき現実である。


さて、こんな話題を筆者が持ちかけるのは、ほかでもなくそんな事件に巻き込まれてしまったからである。筆者が持っている早大メディアネットワークセンターのアカウントが、筆者の知らないうちに誰かに使われ、それでもって匿名メールサイトから悪質な誹謗中傷のメールを送られてしまったのだ。その内容はよく覚えていないが、再現するとこうなる。

9月22日(火)19時18分9月28日(月)15時34分 連続10通
オマエノヘヤノポットニ、ドクヲイレテヤル。
ニイガタケンノジケンミタイニ、ナ。

ソウスレバ、オマエノヘヤノ、ダレカガシヌダロウ。
ジタバタシテモ、モウオソイノダ。

.......
オマエハ、モウコノヨニハイラレナイノダ。
オマエノジンセイ、ソウナガクハナイノダ。モウジタバタシテモオソイノダ。

シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ.........
シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ.........
.......(注2)

オマエガシネバ、コノヨハスクワレル。
ナゼナラ、オマエハコノヨノヒトビトノ、ウラミヲカッテイルカラダ。
コノヨノタメニモ、ハヤクジンセイヲシマツシロ。
.......
しかも悪いことには、そのメールが筆者の所属する研究室の教授宛てだったのだ!!!
センター端末室の職員がプロキシーを調べたところ、筆者のアカウントが浮かんできたとのこと。それで最初は、筆者はその犯人と疑われた。筆者にはこのようなメールは全く身に覚えのないものであり、そんなことで疑われるのは心外だった。というよりもこんなことをする人がいるという現実に驚き、激しい憤りを覚えた。

事件の顛末はこうである。それにしても一体誰が、筆者のパスワードを盗んでしまったのだろうか?……すぐに思いついたのだが、筆者はCGIスクリプトを多く持ち、その幾つかは平文(注3)の管理パスワードを含んでいる。これがどうもシェル上で直接編集した場合に、バックアップファイルから流出してしまうらしい。しかもそのスクリプトの中には、メディアセンターとパスワードを共通にしているものがあり、そこから盗まれたらしい。或いは話によると、WWW上にはネットワークのパスワードを解読するソフトが山のように転がっているらしく、それを使われたのかもしれない。
それから、こんな嫌がらせメールとしたのはなぜか?理由は幾つか考えられる。

  1. 教授に恨みがあって、筆者のパスワードが盗めることを利用した。
  2. 筆者に恨みがあって、教授との関係をぶち壊そうとした。
  3. たまたま筆者のパスワードと教授のメールアドレスを知ってしまったので、愉快犯的にやった。
筆者は別に恨みを買うような心当たりは全くない。一方教授は、講義や学会などで多くの人を相手にしているので、仮に教授に落ち度が全くなかったとしても、逆恨みするような人がいる可能性は十分ある(注4)。当たり構わず悪さを働く愉快犯だったとしたら、被害はもっと多くの人に及ぶはずである。……どうも犯人は、うちの研究室、あるいは教授に恨みを持っているものと考えられる(注5)

やってないという証拠は何一つないが、筆者はとりあえず自分の事情を説明し、何とか疑惑は晴れた(注6)。それならば真犯人は誰か?と探すところだったが、センターの職員いわく、

「我々は警察みたいに、犯人を見つけて罰するのが目的ではない。」

ということで断念することになった。しかしパスワード管理不行届きで第三者の不正利用を招いたという理由で、センターのアカウント4週間停止を食らってしまった。(;o;)

ネットワークのセキュリティーに関しては、ネットワーク管理者の方々はいつも神経をとがらせ、悪用をさせないように絶えず注意している。ほかにもネット資源を安全に運用しようと、サーバによって様々な規約が設けられている。しかしそれでも、悪いことをする人はあちこちにいるもので、その保守作業と悪用とでいたちごっこが続いている。
そんな中で、最近は学校でのインターネット教育のための、通信施設や規約などの整備が国を挙げて進められている。全ての学校にはISDNが敷かれ、NTTは学校向けに回線費用を安くし、教員のコンピュータ研修も行っている。こうして子供たちにもインターネットが普及するのは誠に喜ばしいことだが、ネット上にはアダルトサイト(注7)など、青少年にとって有害な情報も極めて多く含まれている。これをサーバの設定などで、子供たちにアクセスできないようにするという。まあこれは当然の処置だろうが、こうしなければならないという現実が悲しい。

筆者は学部4年のときに、研究室のサーバで自分のホームページを作り始めたが、いろいろと見てきたよそのホームページの刺激を強く受けるにつれて、ホームページのコンテンツがどんどん増えていき、あれから3年目となった今では、ネットを通じた知り合いも幾人、はまればやる、やればはまるの好(悪?)循環となってしまった。その間に、チェーンメールや掲示板荒らしなどに見舞われた経験もある。しかしまさか、今回のような経験をするだろうとは、全く思ってもいなかった。皆さんもどうぞお気をつけ下さい。

それから最後に申し上げます。インターネットは実社会とは別個の仮想空間と思われているようですが、

インターネットを作っているのは、実をいうと人間です。

だから、インターネットでの行為で、その人の人間性も深く問われるということは、重々ご承知のこととは思います。ネット運営の規約とかはいろいろあるけれど、結局最後は利用者のモラルの問題です(注8)。我々利用者全員でモラルを守って、インターネットを便利に、楽しく、自由に使いましょう。

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