臭いものにフタをしろ!

いっちゃん

別に森高千里とは何の関係もない。ただ最近の日本人の間では、この「臭いものにフタをしろ」というような風潮が広まっていて、中にはかなり異常な神経をとがらす人もいる。そういう現状を見て、筆をとった。
例えば、元々老人介護用の便消臭剤を、いろいろな人が使っている。若い女性は女性らしいたしなみとして、あまりくさいウンコをするのは恥ずかしいといって使っている。また年頃の娘を持つ中年男性たちは、「お父さんの後は汚い」と言われては父親の威厳を損ねるからといって使う。はたまた小学生も使っている。男子生徒ならば、大便をすれば必ず個室に入るので同級生に分かってしまい、それこそからかいやいじめの対象となるので、その時の被害を最小限に食い止めるため、母親が飲ませるそうだ。

参考までに。なぜウンコは臭いか?これは食物が胃袋を通って十二指腸に達した時、消化酵素の一部として肝臓でつくられ胆嚢から出た胆液が、この特有の性質を持っているからである。これは何か有毒ではないかと思われる食物が入って来た時、普段よりも多く分泌され、大腸における水分の吸収量も少なくなる。それで下痢となる。これは普段よりも臭いが強い。そうでなくてもこの胆液は分泌されるので、大便はいつも特有の色と臭いを呈する。だから、消臭ということは、この分泌量を減らすことであり、体に良いわけがない。

また最近のモテる男性は、清潔感がポイントだそうだ。昔人気のあった筋肉質の汗臭い男はモテない。それとばかりに、男性はスネ毛やワキ毛を剃り、少しでも汗をかくと消臭スプレーを体に撒く。体育会系はあまりイメージが良くないそうだ。

一体全体、どうしたことだろう。どうして人間の出す汚いものを受け入れることが出来ないのだろうか。よく分からないが、そこには「臭いものにフタをしろ」という考えが根底にあるようだ。日常生活全部を眺めても、やはり面倒臭いことは避けて通ろうとする。いやな奴には近付かない。そうやって物事を選り好みする。これはあまりあってはならないだろう。

これはいわゆる3K職業の不人気の原因である。もし勉強が出来ないと、一流企業でホワイトカラーにはなれない、だから残る職業は最悪の場合3Kしかない。こういう風潮がはびこっている。便所掃除は学歴の低い人がやるものなのだ。3Kを忌み嫌えば進学・出世競争は過熱し、ますます3Kは吹き溜りになる。これでは誰が街の空き缶を拾うのだろうか。誰が老人のシモの世話をするのか。ボランティアに任せればいいというものか。

やはり現実はたとえいやなものであっても、やみくもに否定するのは考えものである。とはいっても、避けて通ろうとするのが本音なのである。

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