20歳のオジチャンいっちゃんの話


この顔を見て、実際の年齢より若いか、或は老けてるか、というのは人それぞれであろうが、大概の人は老けてると思うだろう。
いっちゃんは少年時代小柄だったため、「小さい・弱い・幼い」といわれて過ごした。子供はいつでも「あたしゃも少し、背が欲しい」と思っているものである。そんな中で、体が小さいことは苦労の種であった。この苦い経験(?)で、いっちゃんの顔には次々とシワができた。それで老けて見えるのかもしれない。

実際、いっちゃんの体を見ても、やや中年太りのように見える。ある休日、サークルに出かけようとJR京葉線の電車に乗った時、こんなことがあった。東京ディズニーランドの最寄り駅、舞浜で電車が急に混みはじめ、立つ人が増えた。その中で、一人のヤンママとよちよち歩きの男の子がいた。その子はつかまる場所がなく、発車の時によろけた。それを見たいっちゃんがその子に席を譲ったところ、次のようなやりとりがあった。

いっちゃん「あ、よろしかったら、どうぞ」
ヤンママ「あ、どうもありがとうございます。すいません。」

そして子供が席に座った。ヤンママは髪を茶色に染め、ドハデな服を着ていて、いかにもマナーをろくに知らないように見えたが、いっちゃんはこの時、見た目に反して彼女が礼儀正しいと思った。しかしそれも束の間……

ヤンママ、子供に「オジチャンにありがと言いなさい。」

勿論このオジチャンとはいっちゃんのことである。何といっちゃんは、20歳の若さにしてオジチャンと呼ばれてしまったのだ。コノヤロー、他人の恩を仇で返しやがって!!
いっちゃんはその超MMなヤンママの足をケッ飛ばしてやりたい思いだった。そして、自分とも年があまり離れていないような彼女にオジチャン呼ばわりされたことを非常に悔しがった。やっぱり見た目通り、礼儀知らずだった。いっちゃんはその後、きまり悪そうに隣の車両へ歩き去ったのであった。もっとも、ゾノり気味のいっちゃんも悪いのだが。

戻る。

感想はこちらへ。