論よりローン

いっちゃん

イヤデスネー、この不景気。大学生は就職難、中高年はリストラの嵐で再就職は厳しい、企業はあちこち倒産、ついには銀行や保険が倒産するときた。何だか小渕内閣の地域振興券もあまり効果ないようだ。景気は上向くとはいわれてるけど、気配だけあって今ひとつ芳しくない。
で、国は赤字国債を大量に発行するらしいけど、大丈夫なんでしょうかね?今だって財政支出の内訳で一番か二番目に多いのが国債費だっていうのに。この後ツケを消費税15%とかメチャクチャな増税で払うなんていったらやですよ。

「あー、大丈夫だよ。いざという時には通貨を大量に発行してあてればえーじゃん!」

もしもーし、それは禁じ手ですよ!そんなことしたらインフレ(注1)になっちゃう!……まあ考えてみれば、国とか自治体は借金抱えてもいろいろ逃げ道があるんですねー。銀行も公的資金の投入で倒産を避けられたりするし。そんなら日本中の借金で首の回らない人全員に投入してくれっちゅーの(注2)


1999年ももう間もなく暮れようとしているところ、筆者の住む千葉市で耳を疑うような電話がある事業主の保証人に掛かってきた。商工ローンの最大手、日栄の若手社員からだった。その事業主は倒産して債務を返済できなくなったので、債務は保証人が背負うことになったが、それまた返済の目処が立たないようだった。それで社員は厳しく取り立てようと

「腎臓や目ん玉売って払え」

と脅したのだ。するとその保証人はその音声を録音して公開してしまい、この脅迫行為は明るみに出た(注1)。程なくその社員は恐喝容疑で逮捕され、日栄の社内に警察の捜査のメスが入るようになった。しばらくして商工ローン2番手の商工ファンドも捜査の対象となった。
。皆様Y2K対策はもう万全ですか?PCのY2Kパッチはいろいろ走らせてますか?とにかく日付が100年も狂ってしまうんだから、銀行に預金してる方々は万一ATMがダウンした場合に備えて、預金額をきちんと記帳しておきましょう。非常用の水や食料、懐中電灯、ローソク、ラジオ、用意してありますか?(注1)
「あそっか、分かった!99年内にY2K対策の甘い金融業者から大量に借金すれば、年が明けて向こうの債権記録がY2Kで帳消しになって、その金は払わなくてよくなる、あー私はなんて頭がいいんだろう!」
……ぉぃぉぃ、そこの人、悪知恵が過ぎますぞ。そりゃー、借金で首の回らない方々にとっては、さぞかし福音でしょうね。

最近は長引く不況の影響で、サラ金などの借金を抱えて、首の回らない状態の人が非常に多いという。幸い筆者の父は既に住宅ローンを全額返済してしまったが、中には定年を前にリストラで首を切られ、または勤務先が倒産したりして失業し、それで再就職しようとしても全く口がない、それで借金は返せず、と八方塞がりの状態の人が増えているのである。
借金の原因はいろいろある。最も多いのは住宅ローン、そして賭博などの遊び、事業の失敗もよくあるパターンである。また相続税対策として利用されている変額保険(借金してそれを保険会社に納めると、借金よりも多くの利子がついて膨れるというもの)で、会社の資金運用の失敗(?)により保険金が増額せず、借金だけが増えていく、というのもある。これは自殺者を多数出すこととなった。最近ではオレンジ共済やらKKCやらといった巨額詐欺事件の被害者も深刻である。

ともあれ、原因はどうであれ、借金を抱えるとろくなことはない。ちなみに筆者の非常に身近なところで、何と同じ団地の同じ建物を舞台に、2つの悲劇が発生してしまったのだ。まあ筆者との関係はここでは差し控えるが、とにかく近くで発生したことは確かである。どうしても知りたければメール下さい。

(1) おじ夫婦強盗殺人事件
Iは、サラ金で苦しんでいた。というよりも、Iはあまりよく働かず、I夫人が内職やパートなどで家計を支えていた。そしてあるとき、借金がかさみ、取り立てがしつこくなったのであろうか、Iは借金を返すため、おじ夫婦を訪ね、金をせびった。しかし断られたので、Iは夫婦をナイフで刺殺し、タンスの貯金通帳などを奪って逃げ、やがて強盗殺人で逮捕された。
判決は死刑。昭和天皇が崩御あらせられた時、大喪の礼に伴う恩赦の適用を求めたが、所詮大犯罪者、聞き入れられず。先日死刑が執行された。

(2) 焼身自殺未遂事件
K氏は大変借金に追われていた。そのためK夫人はパートで忙しく働いていた。K氏は働いているのだが、それでも借金は返済できず、毎日のように借金取りが自宅に押しかけていたようだ。
それは5月の連休中だったか、K夫人とその2人の子は、K夫人の実家に帰省していた。ある早朝、「ボン」という爆発音がした。筆者が外に出たところ、多くの人がその方向へ向かっていたので、ついていってみると、消防車がある部屋の火事を消し止めようとしていた。なんと燃えていたのは、K宅だったのである。
あとでテレビのニュースを見たところ、K氏が焼身自殺を図り、部屋中にガスを充満させ、それに火をつけたのである。懸命の消火活動のかいあって、K氏は重傷ながら救出されたが、家財道具は全て焼失し、その自宅の範囲はおろか、すぐ隣の家まで火が及んだ。
この知らせをニュースで聞いた家族は急きょ実家から戻った。そしてこの変わり果てた自宅を見て、すっかり呆然とし、今度はK夫人が気が動転して、失踪してしまったのである。1カ月経った頃であろうか、K夫人は東京荻窪の辺りで、中央線の電車に飛び込み、自殺してしまったのである。(どうもこの頃から、中央線の人身事故は多かったらしい。)
その後、残り3人は、どこか知らない場所で、ひっそりと暮らしているそうだった。
借金を抱えると、どんな善良な真人間であっても、突然自分の心の制御が効かなくなり、このようにとんでもない悲劇を招いてしまうのである。いや、真人間だから取り乱してしまうのか。それにしても借金とは恐ろしいものである。筆者は、この2つの大事件をきっかけに、借金がいかに人を変えてしまう恐ろしいものかを知った。
借金といえば、昨年ニュースで取りあげられていた、住専の不良債権の問題であるが、国家予算規模の借金を抱えて平然としている某S興産の社長は、フタを開けてみれば犯罪者であった。平然としているのでウサン臭いと思ったが、やはり真人間ではないようである。借金を抱えて落ち着きを払っていられるのは、どうも理解に苦しむ。
また某K市の元市長は、弟の借金を返そうとギャンブルに走り、その借金をどんどん膨れ上がらせて失踪するという、本当にあきれてものがいえない事件が起きた。ギャンブルでどうやって借金を返せると思っているのか?K元市長はつい先日、賄賂で逮捕された。
でも、実際とは逆に、ひどく取り乱し、強盗や誘拐などの凶悪犯罪、又は自殺に走るなど、大悲劇を巻き起こすのと、どちらがよいだろうか。もっとも、自分以外の人を(家族も含めて)巻き込んだり、そうでなくても悲しませるのはいけない。

ワイドショーの三面記事ネタで失礼しました。

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