「駐車禁止」あれ?これは関係ない?こりゃまた失礼。
昔から怖いものは「地震、雷、火事、親父」と決まっている。これは小さい子供に言わせてみれば、これらとは別に怖いものがある。それは、「注射」とか「歯医者」である。最近は母親が子供を連れてパチンコに出かけ、熱中している最中に子供が何らかの事故に巻き込まれて死亡する、という悲劇が繰り返され、これも怖いものの一つに挙げられるだろう。すなわち、幼児の怖いものは「3シャ」(注射、歯医者、パチンコ連射)とでもいえばよかろう。
医者の世界では、小児科の仕事が不人気だそうである。主な理由は、子供の人口が減ったからであるが、他にも注射の手間が挙げられている。誰でも想像はつくのだが、特に小さい子供に注射をしようとすると、嫌がって暴れたりして、それを抑えつけるのに余計な人手がかかるのである。これは誰でも想像がつくのだが。その苦労は大変なものだ。石川啄木のあの有名な歌「ふるさとの…」ではないが、
さて、注射を嫌がる年齢とはいくつか?大体3歳から4歳がピークである。まず赤ん坊は注射そのものを知らないから、刺されて痛みを感じてやっと泣く。また小学生になると、嫌がってもがく子は殆んど見られず、刺されて泣く子も稀である。やはり幼稚園ぐらいがピークである。でも注射を好きだという人を一般に探してみると、覚醒剤常習犯や献血マニア以外にいないだろう。大抵の人は注射が嫌いである。そして誰でも注射を嫌がった経験を持っていることだろう。
いっちゃんも例外なく、いや本当に典型的な抵抗者であった。あれはいっちゃんがまだ幼稚園に行く前だったか、母に連れられて、種類は忘れたが横浜の自宅からやや離れたところへ、集団予防接種に行ったときのこと。いっちゃんは極度に注射を嫌がり、それで散々泣き叫んでバタバタと暴れた。その有り様は並ではなかった。「はーい、痛くなーい」この言葉も全く効果はなかった。周りには耳を塞いだ人もいた。「ほら、動くな、我慢しろ!男の子だろが。」(アノネ、男の子だからといったってネェ。これだから男はつらいよ。)周りの非情な大人たちは寄ってたかっていっちゃんの手足をもろに体重をかけて固定し、二の腕の両端にあたる肩と肘をがっちり抑えつけ、やっとこさ注射針を刺した。(そのせいで腕にアザが出来てしまった、というのはウソです。)後でいっちゃんの母は医者に散々おこられた。とりあえずそこの設備を壊した、とかまではいかなかったが。
とかくいっちゃんは滅多には泣かないが、いざ泣くと大変だった。カンの虫の強い子であった。チビのくせに泣き声はやたら大きかった。いや、凄まじかった。ギャーギャー、いや、ビービーと聞こえるだろう。例えば自宅(団地)で母に叱られ締めだしをくらうと(こういう場合決まって「よその子になりなさい」とか勘当に近いセリフをはいたのである。たまには本気でキレるのだろう。)、鉄製の重いドアに激しく体当りして泣き叫び、たちまち近所迷惑になり、やむなく中に入れた、という始末であった。………おっと、話が脱線してしまった。
それにしても、もう少し注射の環境を、何とか出来ないものだろうか、例えば雰囲気を変えるとか。一番に医者が変わるべきだろう。というのは、たまに実に非情なやり方で注射をする医者がいるのである。例えば「はーい、痛くなーい」嘘ばっかり。これでは明らかに裏切り行為である。おまけにもの凄い体重をかけて、漬物石のように上から抑えつけるとは、これまた極悪非道である。むしろ「痛いけど我慢してね、すぐだから」といって注射をして、終ったら「強いね、泣かなかったね」これ位の気配りが必要ではないか。その方がよっぽど子供を鎮めることが出来る。
某バラエティー番組(名前は言えない)で、「ボク泣きましぇーん」とかいうコーナーがあって、子供が泣くような典型的な場面(注射、歯医者、迷子etc)における幼い男の子を出演させ、もし泣いたら晩ごはん抜き、というお約束を守らせて取材したのである。(某おもちゃメーカーが、注射をすると涙が出るような仕掛けの人形を売った、というクライ(cry??)、「注射」というと「泣く」を連想するのだ。)で、もし彼が泣いたら、食べられない彼の目の前でおいしそうに晩ごはんを食べる(まさに「馬にニンジン」状態!!)のである。本当にひどい番組なので、見てすぐにチャンネルを変えた。こうやってネタにされるほど、注射場とは幼児にとって怖い場所なのである。
いっちゃんは薮医者に注射されて怖い思いをし、激しく抵抗した。そのいっちゃんも今では成人である。高校時代に初めて献血をした時Rh-Bといわれ、それ以来何度もすすんで献血をするようになった。注射を怖がるのも今ははるか昔である。
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